━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆河童倶楽部通信 3  「福岡ダイエーホークス優勝おめでとう」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 10月28日の夜、今年のプロ野球日本シリーズ最後の決戦が名古屋ドーム
で行われた。地元中日ドラゴンズは、本拠地名古屋にダイエーホークスを
迎えての3連戦、全国の野球ファンが見守る晴れ舞台に立ちながら、実に
無様で情けない3連敗。誰もが一世一代の大勝負を期待しての頂上決戦、
そうした地元の期待もズタズタにうち破られてしまったゲームでした。

「晴れ舞台」という言葉、たとえば結婚式などをいいますが、みんなが
主人公を注目して盛り上げる、それに対して主人公は、演出を工夫して
みんなを楽しませるよう努力しなければならない、そんなものだと思う。
 我々の堅気の人生においても、多かれ少なかれ、晴れ舞台があります。
結婚式は何回もないけれど、仕事で町内会で人の前に立って話をしたり、
ゴルフやカラオケ大会、年賀状一枚だって自分を見せる晴れ舞台だから。
そうした「いざ鎌倉」という時に、当然それなりの実力が必要だけれど、
それよりもプレッシャーを克服できる強い精神力と、全力を発揮できる
よう日頃から何事も「自分にできる100%のことをやる!」という修行の
積み重ねが大切なんじゃぁなかろうか、ふと、こんなふうに感じました。

┏■福岡ドーム前の王さんの手(ストリートファニチャー)━━━━━┓
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
 今年の8月に、夜行バスに乗って、博多へ行きました。私の一人旅の
テーマはいつも「街づくりと景観の視察」ということで、福岡ドームも
周辺を歩いてきました。
 福岡ドームは、福岡県福岡市の中心地「博多区」より北西約4キロの
中央区のウォーターフロントに新しく開発されたエリアに1993年に完成
したもので、名古屋ドーム(1997年完成)よりも先にできた施設です。
周辺には「シーホークホテル&リゾート」や福岡タワー、市立博物館や
海浜公園などが配置され、新しくて活気のある場所にありました。

 写真は、福岡ドーム前で見つけた王監督の手。これと握手した時から
私にとってパリーグの弱い球団のイメージが変わったように思えます。
このような街の一角に設けられた彫像やベンチ、案内板等を土木用語で
「ストリートファニチャー」といいます。直訳すると「通りの家具」と
いうことになります。20年ぐらい前までは、道路とは人と車が安全に
通行するだけの場所という認識がありましたが、最近になって「街路」
(都市部の道路)には、“人が憩う空間”という新しい目的が認知され
こうしたものが増えてきました。他の都市では、「宇宙戦艦ヤマト」や
「ゲゲゲの鬼太郎」、「サッカー選手の足形」などもあります。

 ホークスと、われら中日ドラゴンズの戦いは、福岡と名古屋という、
都市と都市と戦いでもあったように思います。福岡市の人口は125万人
(全国8位)で、名古屋の209万人(4位)には至らないものの、愛知県人が
持つイメージを凌ぐ大都市に成長しています。福岡の北東50キロには、
もう一つの政令指定都市 北九州市(101万人)があり、2大都市がいい
意味で競争してバランスを保って発展しているため、都市構造としては
交通網や産業集積、自然環境など理想的な発展を遂げているようです。

 百科事典をひもとくと、福岡市の第3次産業への就業者比率77.5%は、
政令指定都市中トップ。名古屋は自動車関連等の2次産業のウエイトが
多い工業都市なので、街づくりの活力が違う。福岡の商業の中心地、
「天神」のデパート群や、再開発で誕生した「キャナルシティ博多」
「博多リバレノン」「アクロス福岡」などの斬新な景観と賑わい等は、
名古屋の「栄」をはるかに凌いでいるように、感じられました。
大手スーパー「マイカル」は、新しい商品とか販売方法を博多店で試
験的に研究し、そこで成功したものを全国の支店へ展開させると本に
ありました。博多はそれぐらい商業が先進的で盛んな街なのです。

 博多の街づくりは、民間企業が主役となり、行政は脇役として進ん
でいるのが実感できるほど、民間の強いパワーと連携を感じました。
博多の街には「博多どんたく」や「博多祇園山笠」など住民参加型の
お祭りが有名ですが、一方名古屋には全国的に有名なお祭りが乏しく
「名古屋祭り」も、どちらかというと行政が引っ張っているお祭りと
いう印象が拭いきれないのは私だけでしょうか?

 今回のダイエーホークス優勝の晴れ舞台を見て、なんとなく福岡市の
街づくりの様子がホークスの強さと結ぶつき、いざという時の名古屋の
弱さが感じられました。愛知県がすすめている2005年の晴れ舞台、
もう今さら、イヤでも後に引けない時期に来てしまっているのですが、
悔いのない大成功という結果が出せるのか、なんとなく不安を感じます。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
この手のメールが、業務用のメールに混入すると困るなどご迷惑な場合、
その他ご意見やフォローなどございましたら、下記までご連絡願います。

inserted by FC2 system