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◆河童倶楽部通信 7     (お便り特集)
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 河童倶楽部通信を愛読いただいている皆さま、こんにちわ。
先回の紅葉の写真は、今までになく評判がよろしかったようで、数々の
メッセージを頂きました。写真の明るさや色彩をパソコン上で若干加工
しておりますが、あくまでも自分が見た印象に近づけるための補正をした
までで、現実はもっともっと美しいところなのです。この秋、外に出る
ことが少ない方もぜひ、大自然の青空の下へ、出掛けてみてくださいね。

 今回は、お便り特集として、皆さまよりいただいたメッセージの一端を
紹介させていただくことにしました。

> 琵琶湖北端、海津大崎の桜並木は4年位前、桜の満開の時に行ってきま
> した。桜並木の下で1日バーベキューをしたりして楽しんで来ました。
> たしか日中は車両の通行止めがあったみたいな気がします。とっても
> 素晴らしい桜並木でした。前日は吉野の桜を見に行って来ました。
> 甲乙つけがたい良さがありました。

空と山と湖に囲まれた桜並木ですから、空気も街と違う新鮮な香りがし
ます。ピンクの花びらが舞い散るなかのバーベキュー、どこのホテルの
レストランで食べるディナーよりも贅沢な食事だったことでしょうね。

> 我が家の前に神社があり今日も落ち葉掃きをしてきた所です。
> 掃いても掃いてもきりがありません。
> 全部落ち切るまでしょうがないとは思うのですが・・・・。
> 私は昼間いないのでさほど気にはしていませんが、
> さすがに休日はそうもいきません。
> 春には目に染みるほどの若葉が心を洗ってくれるのですから
> 文句をいったら罰が当たるとは思いながらも凡人の悲しさ、
> 今の時期になるとついついため息が出てしまいます。

近所の神社というと、私にはお正月ぐらいしか用がないところなのですが、
地域の人がみんなで奉仕して、管理していく。日本人らしい美しい姿です。
都市にいて農林水産業から縁のない世界で生活する人が増えるにつれて、
生活の中に日常生活から信仰心が離れていきますが、お役所が管理する
公園と違った、もうひとつの時代を超えた共有空間も大切ですよね。
「神社がもたらす景観と街づくり」もいつかテーマにしたいと思います。
 

┏■街のランドマーク        〔埼玉県川越市 時の鐘〕━━┓
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 東海道新幹線に乗って車窓から富士山が見えると、いま静岡県を走って
いることが誰にでもわかる。旅行や出張など、たまにしかここを通らない
人には、今日の富士山はどんなだろう、もう雪の帽子をかぶっているかな、
などと、やがて現れるであろう富士山に期待しつつ、車窓の風景を楽しん
でいる人が多いことと思う。光り輝くきれいな富士山が見られた日には、
とてもリッチな気分になり、奮発して「うなぎ弁当」でも食べようかなど
ということになる。新幹線に限らず、いろんな地域から富士山が望むこと
ができ、それが見えるか見えないかで、その日の気分がガラッと変わるこ
ともある。日本の数多くの風景画の中で、様々な視点で季節感豊かに登場
していることを見ても、富士山は日本の象徴として、富士山のある風景を
愛しているのだと思う。

 今回の添付写真は、小江戸と言われ、いまなお古い商家の街並みが残る
埼玉県川越市の風景です。江戸時代に商業で栄えたこの町は、幾度も大火
に見舞われたため、厚い漆喰の蔵造りの商家が立ち並んでいるのが特徴。
そうした中でひときわ目立つのが『時の鐘』。往時の建物は全て二階建て
以下だった頃、ひときわ高くそびえたこの鐘は、街のどこからでも見つけ
出すことができる目印だっただろうし、旅人もこの鐘を見て、川越の街に
来たことを実感していたにちがいない。

 都市景観のことばで、こうした街の象徴を「ランドマーク」といいます。
多くの街には、お寺の五重の塔であったり、風呂屋の煙突とか電波塔とか、
展望タワーや高層ホテルなど、知らず知らずのうちに、その街を印象づけ
る景観として認知されているものが、あるのではないでしょうか? 
 高い建物や大きい建物は、それ自体が周辺地域の人々が生活する風景の
一部となっていく。だからマンションひとつを作るにしても、外観の形や
色、材質などのデザインに責任を持って設計してもらいたいものです。

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 川越の「時の鐘」は、今でも毎日4回、6つずつの鐘が鳴らされていて、
その音色は「日本の音風景100選」のひとつに数えられているとのことです。
川越に行かれることがあったら、ぜひ市立博物館へ行って下さい。そこには
若くて知的な学芸員のお姉さまがみえて、展示物などを大人にも子供にも、
楽しくわかりやすく紹介してくださいました。

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